6.フィンランドの冬期道路管理手法

資料番号:6

国名:フィンランド

文献名:フィンランドの冬期道路管理手法

著者・発行者:ヘルシンキ フィンランド道路庁(監修:北海道開発局 建設部 道路維持課・北海道開発局 開発土木研究所 道路部 発行:(財)北海道 道路管理技術センター)

発行年度:1993年

内容・概要等:

フィンランドは、北緯60度と70度の間に位置し、アイスランドに次ぐ極北の国である。フィンランドはスカンジナビア諸国の一つであり、隣国として西にスウェーデンとノルウェー、東にロシア、南にエストニアがある。また、南と西側ではバルト海峡に面している。

1月の平均気温は南部で、-15℃であり、冬は10月から11月にかけて始まり3月から4月まで続く。

フィンランドは道路管理者に多くの難題を与えている。地質は複雑で柔らかい粘土層から固い岩まで様々であり、気候も暑い夏から北極圏の冬まである。

国土は広く、人口は少なく、湖や川が無数に存在する。社会はできるだけ低コストで高いレベルのサービスや、経済的な道路管理法及び環境を維持できるような政策を求めている。

しかし、フィンランドの道路網の状態は非常に良く、有効で迅速な輸送手段を社会に提供している。道路交通は、旅客及び物資輸送の双方で圧倒的優位を占めている。

フィンランド道路庁(Finnra)は、フィンランドの公道の管理、計画設計、建設及び維持管理という困難な任務に対し責任を負っている。このような困難な状況に置かれながら、年々業務や管理をより効率化し、費用効果を高めるようにせざるを得ない。その結果、世界中に認められ、他の道路管理者のモデルとなる専門的で教養深いスタッフや、近代的な管理法及び幅広い先進的な道路管理システムと技術が生まれた。

本書では、フィンランドで使用されている冬期道路管理手法及びフィンランドのノウハウや技術についても説明している。

なお、本書の翻訳は、フィンランドの道路庁の許可を得て、北海道開発局開発土木研究所道路部で行ったものである。

目次一覧:

1 目的
1.1 冬期道路管理基準

2 冬期作業計画と準備

2.1 原則
2.2 除雪計画
2.3 路面整正計画
2.4 凍結防止計画
2.5 スノーポール

3 除雪機械
3.1 基本ユニット
3.2 基本ユニット付属品
3.2.1 スノープラウ
3.2.2 その他の除雪機械

4 除雪の安全要因
4.1 概論
4.2 除雪機械
4.3 人や車両のある中での除雪
4.4 交通標識や信号に対する損傷の防止
4.5 広過ぎる除雪幅の防止

5 除雪方法
5.1 代替方法
5.2 非分離道路
5.3 分離道路
5.4 歩道と自転車道路
5.5 都市部での作業
5.6 除雪における特別な事項
5.6.1 吹きだまり
5.6.2 休憩施設とパーキングエリア
5.6.3 オーバーパスと鉄道踏切
5.6.4 バス停、追越し車線とおよびその他の広幅員部分
5.6.5 スラッシュの処理
5.6.6 段切りと拡幅除雪
5.6.7 除雪後の作業

6 路面整正と圧雪/氷の除去
6.1 目的
6.2 路面整正の方法
6.3 オーバーパスと鉄道踏切
6.4 作業速度と溝

7 除氷及び凍結防止手法と材料
7.1 概要
7.2 化学的氷処理及び凍結防止
7.2.1 乾燥塩
7.2.2 プレウェット塩
7.2.3 塩水
7.2.4 塩水の製造と保管
7.2.5 塩の事前散布
7.3 塩に代わる凍結防止剤
7.4 路上の塩の環境に対する影響
7.4.1 塩害の防止
1.5 すべり止め材の使用
7.5.1 砂
7.5.2 砂/塩の混合物
7.6 すべり止め材の品質条件
7.6.1 すべり止め材
7.6.2 塩化ナトリウム
7.7 材料の保管
7.7.1 純粋なすべり止め材
7.7.2 砂/塩の混合物
7.7.3 塩化ナトリウムと塩化カルシウム
7.8 凍結防止剤及び除氷作業に必要な装置
7.8.1 塩水生成装置
7.8.2 塩及び砂の散布機械
8 冬期間の特別な作業
8.1 排水路の凍結防止とカルバート内の融解
8.1.1 カルバートからの氷融解
8.1.2 排水路の凍結防止